

“むろん箱から出るだけなら、なんでもない。なんでもないから、無理に出ようとしないだけのことである。ただ、出来ることなら、誰かに手を貸してほしいと思うのだ。 ”
安部公房「箱男」より
息のできる場所をもとめて繭を作る少女のお話を、2020年から2022年にかけて書いていました。
生きることは息をすること。
音を通して息をする。喉を震わせ歌う。ひとりでも歌っていられるけれど、できれば誰かが聴いていてくれたらと願う。
生きることは息をすること。
少女の物語は醒めない夢のように今日も流れます。
生きることは息をすること。
音、身体、言葉を通し、深く息をする。
響き合う一瞬が生まれる。
阪越由衣、小辻太一、清水チャートリー。ヨーロッパで出会った同世代の3人のアーティストが自由で実験的な
表現の空間のあり方を考えます。
鳴る。跳ねる。聴く。伝える。
真っ白な箱で繰り広げられる創造と出会いの二日間。
発案 阪越由衣
企画 阪越由衣・小辻太一
協賛 Fondation d'entreprise Société Générale « C’est vous l’avenir »
協力 JITSUZAISEI·Circus Laboratory CouCou
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アーティスト&プログラム
阪越由衣 サクソフォン・ムーヴメントアート
ふたりのためのコンサート « 音の間 »
音&身体パフォーマンス « Éblouie - 眩耀 »
小辻太一 ダンス・ジャグリング
体験型展示 « 物と遊びを見つける展 »
パフォーマンス « モノダンス »
清水チャートリー 作曲・音響
アーティスト・トーク « 耳で見る音楽 »
自由参加型
フリー即興セッション « 命を、聴く »

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プログラム詳細&予約情報
ふたりのためのコンサート « 音の間 »
1人の演奏者と1人の聴き手 ― その間で生まれ震える音にはどんな意味があるのだろう。そこにはどんな時間が流れるだろう。ごつごつとした質感、ひんやりと鳴るハーモニクス、音になる前の音、立体的な息遣い。今まで聴こえていなかったものが聴こえてくるかもしれません。
1回の演奏時間は15分。2日間で8枠限定のスペシャルな企画です。
[日時・ご予約]
7月29日 13時~14時(全4枠 | 13:00~13:15 / 13:15~13:30 / 13:30~13:45 / 13:45~14:00)
7月30日 11時~12時(全4枠 | 11:00~11:15 / 11:15~11:30 / 11:30~11:45 / 11:45~12:00)
要予約・入場無料・投げ銭歓迎
音&身体パフォーマンス « Éblouie - 眩耀 »
社会との関わり方や現代人の生き方を巡る「ひきこもる人々」をテーマに、自分を守る繭の中から外の世界を見つめるひとりの人間の物語。
繭の中の毎日は、あたたかく、夢のように脆い。
サクソフォン・電子音響・ボディーパフォーマンスが溶け合う阪越由衣オリジナル脚本のジャンル複合型パフォーマンス。
[日時・ご予約]
7月29日 18時~19時半
7月30日 15時~16時半
要予約・入場料 1,500円(学生 1,000円)
*モノダンス + Éblouie + アフタートークをご観覧いただけます

©Pascal Froment
体験型展示 « 物と遊びを見つける展 »
棒、ひも、ボールといった様々な物体を展示します。展示物はいわゆる「遊び道具」として誰でも手に取って動かしたり遊んだりできる、そんな体験型の展示会です。まずはナビゲーターが遊び方の例を紹介するので、みなさんも物をさわりながら新しい遊びを見つけてみましょう。
物を見つける、ゲームを見つける、楽しさを見つける…懐かしいようで新しい感覚をどうか見つけに来てください。
[日時・ご予約]
7月29日 15時~17時半
7月30日 12時~14時半
出入り自由(予約不要)・入場無料・投げ銭歓迎
パフォーマンス « モノダンス »
「物と遊びを見つける展」で展示する物の一部を使ったパフォーマンス。ジャグラーでありダンサーでもある小辻太一が独自の切り口でつくる、体と物の動きをお楽しみください。
[日時・ご予約]
7月29日 18時~19時半
7月30日 15時~16時半
要予約・入場料 1,500円(学生 1,000円)
*モノダンス + Éblouie + アフタートークをご観覧いただけます

©Taichi Kotsuji
アーティスト・トーク « 耳で見る音楽 »
演奏会では、演奏家と聴衆が互いに向き合って座るのって誰が決めたのだろう?視点を固定することにより、表現が制限されている可能性はないだろうか?《しかく》(2013)や《クレイジー塩梅》(2021)など清水チャートリー作品の映像と本人による解説により、空間の持つポテンシャルを引き出す音楽の可能性を探る。
[日時・ご予約]
7月29日 14時~15時
予約不要・入場無料・投げ銭歓迎

自由参加型 フリー即興セッション « 命を、聴く »
音楽や踊り、言葉。それぞれの方法で表現し、響き合うためのフリースタイルの即興セッションです。楽器を演奏できなくても大丈夫。朗読や打楽器でご参加いただけるよう準備してあります。目の前にある声を聴く。一瞬の時を共有する。どうぞお気軽にお立ち寄りください。
*会場スペースと音量に制限がございます。ドラムセットなど大きな楽器、設営に時間のかかる楽器の持ち込みはご遠慮願います。
[日時・ご予約]
7月30日 16時半~17時半
出入り自由(予約不要)・入場無料

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アーティストプロフィール
阪越由衣 YUI SAKAGOSHI
サクソフォニスト、パフォーマー。1989年生まれ、大阪府出身。
2012年よりフランス在住。
大阪音楽大学サクソフォン科を首席で卒業。オルネースボア音楽院、ストラスブール高等音楽学校を経て、2022年リヨン国立音楽院第三課程 Artist Diploma 現代音楽創作科を初の日本人として修了。
在学中に Festival Détours de Babel « Les Chantiers » に選出され、現代社会におけるアイディンティーの有り方を問う自身初の創作音楽劇作品 « Au milieu de » (英訳:The In-Between) を同音楽祭にて初演。KOBE Re:Public Art Project 2022 レジデント・アーティスト。2019年カールハインツ・シュトックハウゼン財団より演奏賞を受賞。Société Générale財団、並びにADAMI財団奨学生。
即興演奏や身体表現を取り入れた現代音楽、実験的な舞台作品の創作に数多く関わり、2019年より現代サーカスショー « De A à Zèbre » に出演。Ensemble ORBIS サクソフォニスト、Collectif LiSiLOG アーティスト。

©Mai Toyama
小辻太一 TAICHI KOTSUJI
振付家、ジャグラー、ダンサー。1989年生まれ、千葉県出身。
フランス、リヨン在住。
12歳の時にジャグリングを独学で始める。
2017年に渡仏し、リールにあるサーカス学校Centre Régional des Arts du Cirque de Lommeに入学。
2018年よりフランスの現代サーカスカンパニー Collectif Petit Travers の作品にジャグラーとして出演。
並行して、他アーティストとのコラボレーション作品や個人としての作品の創作を日本・フランス両国で行う。
2023年に自身のカンパニー Tobio を設立。カンパニー初作« ASOBO »は日本でのリサーチを経て現在フランスにて制作中。
クラシックバレエ、コンテンポラリーダンスを学び、ダンス・ジャグリング両分野を横断するリサーチを行う。物を見せるジャグリングや体を見せるダンスに対し、物と体の両方をひとつのまとまりとして見せ、物と体があってこそ生まれる現象について研究している。

©︎Daigo Itatsu
清水チャートリー CHATORI SHIMIZU
作曲家、サウンドアーティスト。1990年大阪生まれ。
国立音楽大学を首席で卒業と同時に有馬賞を受賞。米コロンビア大学修士課程を同大学院奨学生として、独ドレスデン音楽大学修士課程をシーメンス奨学生として修了。空間やコレオグラフィーを伴う、過剰な持続と反復を用いた作風を持つ現代音楽作品を作曲。CROSSROADS International Composition Festival(オーストリア)、21C Music Festival(カナダ)、ISCM 《世界音楽の日々》(ニュージーランド)、Lange Nacht der Wissenschaften(ドイツ)、Hearing China(中国)、nief norf Summer Festival(アメリカ)、Thailand International Composition Festival(タイ)、Festival POTE(フランス)、International Review of Composers(セルビア)、St. Petersburg International New Music Festival(ロシア)などの音楽祭などで作品が演奏・展示されている。

お問い合わせ
yui.sakagoshi@gmail.com
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